人の命と才能は家庭や地域などの贈与経済圏で育まれる。 つまり贈与経済圏こそが社会の生命力と活力の源なのだ。 しかし市場経済はその贈与経済圏を圧迫し、侵食する。 そして贈与経済圏が干上がってしまえば社会の機能も干上がってし…
富は無尽蔵であるというスピ系の言説に乗せられ、お金をため込む人がいるから他の人の分がなくなる。 富とお金は異なる。 富はたしかに無限かもしれないが、お金は有限なのだ。
社会は多くの「仕事」によって支えられている。 しかしその大部分は無給の仕事である。 無敵の人がそれほど出てこないのもそうした人をケアすべく裏で家族や友人が無給の仕事を献身的に行っているからだ。 それらがなければこの社会は…
経済の視点からは微妙ではあるが、投資家という肩書きが社会的に認知されてきたのはそれ自体いいことだ。特筆すべき学歴や技能、キャリアがなくても社会的に認められるということだからだ。事実上のニートであっても投資家を自称するだけ…
失業率とインフレ率はトレードオフの関係にある。 すなわち経済の安定を目指すなら完全雇用は永遠に無理だということだ。 なのになぜいつまで完全雇用にこだわるのか? 雇用による分配にしがみつくのか? 市場経済以外の経済領域が存…
ベーシックインカムは社会の駆動原理を(金を介した)市場交換から贈与交換へと書き換える。 要するに奪い合い競争から与え合い競争への転換である。 そこでの社会的評価はみなが価値あるとみなすものをどれだけ社会に還元できるかによ…
AIの進化で仕事がなくなっても新しい仕事が生まれるから問題ない、という人は数字だけ見て生身の人間を見ていない。 その新しい仕事に必要なスキルを得るのに一体どれだけの時間とコストがかかるかを考えたことがあるのか? 仕事に要…
お金というメディアは欲望を強化する。 その結果、それはやがて「反転」して欲望そのものを阻むものへと変貌する。 実際、いまやお金は一部の富裕層の欲望を最大限まで拡大した結果、その他大勢の欲望を阻害するものとなっている。 あ…