ベーシックインカムは社会的共通資本の提供者である国民に対する正当な対価である
税金を嫌がる気持ちはよく理解できます。誰しもお金はできるだけ払いたくないものですよね。
けれど、それがビジネス上の取引であればどうでしょうか? たとえば仕入れにかかる費用などビジネスに必要な対価であればお金を払うのは当然であり、それに疑問をさしはさむ人はほとんどいないかと思います。
ところで、もし税金もまたビジネスに必要な対価だとしたらどうでしょう。
じつは、経済活動を行うには治安の良さや信頼関係にもとづく良好な人間関係といった社会的共通資本が欠かせません。それがいかに重要かは、テログループや犯罪組織が横行する紛争地域で商取引を行うことがどれほど難しいかを想像すればわかるはずです。ある意味、社会的共通資本は経済活動がその上で機能するための基本インフラといえるでしょう。
そしてこの基本インフラには「お金」も含まれます。お金もまた商取引に欠かせない公共の道具であるからです。
そう考えれば、税金はそうした社会的共通資本というインフラを使う上で支払うべき当然の対価ということが理解できるのではないでしょうか。したがって、税金は社会的共通資本を使って利益を得た人であれば誰もが負担すべき利用料であり、とくにそれを人より多く使ったり、独り占めしたりした人はより多く支払う義務があるということになります。
ただしここで忘れてならないことがもうひとつあります。それは社会的共通資本の提供者である国民にはその見返りを受け取る権利があるということです。そして、その権利を形にしたものがベーシックインカムと呼ばれる制度なのです。