昔は「俺が獲ってきたものだ。食ってくれ」というやり方が当たり前だった。もちろん、その裏には「俺の方が能力があるのだ」という暗黙のマウンティングがあったわけだが‥。 そして、そうした贈り物に対して拒否したり、または等価交換…
働くこととお金は本来、何の関係もない。人が働くか働かないかの鍵を握るのは「社会的物語」である。 人がお金で動機づけられるように見えるのは、今の社会的物語の中核にあるのがお金だからにすぎない。 お金が社会的物語の一部でなく…
資本はあらゆるものを生み出すが、人間という労働力商品だけは生み出すことができない。 しかし国家にはそれができる。資本の委託を受けた国家の役割とは、労働力商品を生産し、管理することにある。 すなわち国民というのは労働力商品…
いくら生産力が上がっても貧困がなくならないのは貨幣の設計にバグがあるからだ。 今の貨幣というカードゲームのルールは奪ったもん勝ち、貯蔵したもん勝ちで、そこには分配という考えがすっぽり抜け落ちている。 もちろん与え合いなど…
自分で働いて自分で食え、というが、たとえば砂漠のど真ん中に一人取り残されても食えていけるのか? 人が食えていけるのは社会があるからであり、そこでは個人の働きの貢献度などどんなに優秀な経営者であってもせいぜい2割もいかな…
1960年代は経済の矛盾が公害、すなわち自然への搾取として現れ、大きな社会問題となった。 90年代以降、それは貧困、すなわち人間への新たな形での搾取として現れ、新たな社会問題となっている。 豊かな社会の貧困は貧困者個人の…
借金は必ず返済しなければいけないというけどーー。 人が老化や病気、事故、不幸を避けられない以上、またこの世にあるものがみな腐り、劣化する以上、世の中全体のバランスシートは必ず債務超過に陥るんだよ。 だから歴史的にもヨベル…
労働と所得を切り離すことの重要性がなぜこれほど理解されないのか? 理解できない人は、とりあえず十分な給与を得られる蛸壷の中に安住しているからだろうとは思うが、それではあまりに社会の平面的広がりと時間的広がりに対して想像力…
生産力の源泉が科学技術である以上、そして科学的知識が失われない限り、原則として生産力が低下することはありえない。 その上ほとんどの労働がAIに置き換わる将来、人間の勤怠はもはや生産力を左右する要因ではなくなる。 つまりB…