社会的物語としてのお金

働くこととお金は本来、何の関係もない。人が働くか働かないかの鍵を握るのは「社会的物語」である。

人がお金で動機づけられるように見えるのは、今の社会的物語の中核にあるのがお金だからにすぎない。

お金が社会的物語の一部でなくなったなら、お金は人を動かす力を失うだろう。

「てやんでえ、俺を金で動かせると思ったら大間違いでえ」と啖呵を切れた江戸時代、お金は今ほど社会的物語の中に入り込んではいなかった。