貧困は新たな公害である

1960年代は経済の矛盾が公害、すなわち自然への搾取として現れ、大きな社会問題となった。

90年代以降、それは貧困、すなわち人間への新たな形での搾取として現れ、新たな社会問題となっている。

豊かな社会の貧困は貧困者個人の問題ではない。もちろん自己責任などというものでもない。それは新たな公害問題なのだ。

だが、公害の時と違い、貧困を経済の矛盾と見る向きは残念ながらいまだ少数派である。