ベーシックインカムは共産主義なのか?
ベーシックインカムを共産主義だといって反対する人が少なくない。しかし、それはまったくの誤解である。
なぜ誤解なのか?
そもそも日本を含む西側諸国が自由主義社会であるという前提からして間違っているからだ。
どういうことか?
それを理解するためには、まず会社というものの本質を知る必要がある。
そもそも会社というのは生産分配共同体である。そこではたとえ生産にまったく寄与しない場合でも会社員の資格があるかぎり、分配に与れるようになっている。それはある意味、国家内にあるミニ共産主義国家のようなものだ。
そして、国民の大多数が会社に所属している以上、日本も他の西側諸国も実質的には共産主義社会だといえる。
じつは、そうした共産主義のくびきから個人を解放するのがベーシックインカムである。なぜならベーシックインカムによって離職の自由が得られないかぎり、会社というミニ共産主義国家による「独裁」から逃れることは不可能だからだ。
したがってBIが共産主義だというのは無知に基づく誤解である。
あるいは、それに気づいているからこそ、多くの共産主義者がベーシックインカムに反対するのかもしれないが‥。