純粋な市場経済は私たちの経済の一部にすぎない
マーク・ザッカーバーグやイーロン・マスクなどの成功した企業家はすでに一生遊んで暮らせるほどの財産を持っているのになぜなおも働くのだろうか?
これは私が日頃から言っている「※ゴルゴ13問題」というやつだが、そこにあるのはおそらく金銭動機ではなく贈与動機のようなものだろう。
名誉や達成感を含むより高次の自己実現を求める動機だ。
そう考えれば、いまの経済社会は、家庭や地域からなる下層部分がそうであるように上層部分もまた贈与経済の性格を帯びているといってよいだろう。
われわれが教科書などで習う純粋な市場経済が占める領域は思いの外、狭いのだ。
※すでに莫大な財産を築いたはずのゴルゴ13がなぜ危険を冒してまで新たな仕事を受けるのか、という問題