「民主主義の弱点」をついてくる反政府勢力
社会を運営する上で民主主義はたしかに優れた制度である。
しかしそれはあくまでも平時においてという但し書きがつく。
それは十分な議論を尽くせるだけの時間的余裕のある平和な環境を前提としたものであり、そうした環境が担保されない時、すなわち戦争や内乱など危機的な状況においてはかえって足かせとなることが多い。
迅速な対応が求められているのに意思決定に時間がかかり、それができなくなってしまうからだ。
この民主主義の弱点ーーこれこそが戦前の、また現在の問題の根源をなすものといえるだろう。
そして、ここにはもうひとつ見落としてならないことがある。それは、反政府勢力がしばしばこの民主主義の弱点をついてくるということだ。
彼らは表では「民主主義を守れ」と叫ぶ一方、その裏側では危機的な状況を意図的に作り出そうとする。そうして政府ができるだけスピーディに危機に対処しようとすると「独裁だ」「民主主義の破壊だ!」といって政府を非難するのである。
このような反政府勢力が一方的に有利になる非対称な戦いにおいて、政府はどう対処すればよいのだろうか?
とくに現在の日本における与党とそれを叩く野党(およびその裏にいる売国反日勢力)のパターン化されたやりとりを見ているとそのような感はますます強くなるのである。
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