【悲報】インドでベーシックインカムが「不道徳」と批判される
不道徳というのであれば、その時間を労働にあてないでヒンズー教の神様への祈りにあてるのは社会的に無駄であり、不道徳なのではないだろうか?
今そこにある金融資本主義的労働制度は不道徳ではないというのだろうか?
そもそも不道徳とは何なのか? 誰が不道徳かどうかを決めるのか? 政府か? いっさいの不道徳を排除した社会が果たして幸福でなおかつ道徳的な社会になりうるのか?
また「その支給を政府が行うとすれば、誰もがすでにいくらかの収入を得ていると知っている企業は、賃金を下げてもいいと考えることにならないだろうか?」という疑問もすでに論破されている陳腐な問いである。
この部分こそ、労働者を賃金奴隷制から、そして企業家を銀行による借金奴隷制から解放させる重要なポイントである。
人間や経済というものに対してこれほど浅い認識しか持っていない「知識人」がいまだにいることに逆に驚いてしまう。これではまるで大学生の議論に小学生が割って入ったようなものだ。
生活賃金を保証できない各国の政府や企業にとって、解決策と目されているのが最低所得保障(UBI)だ。だが、その支給を政府が行うとすれば、誰もがすでにいくらかの収入を得ていると知っている企業は、賃金を下げてもいいと考えることにならないだろうか?
UBIはフェイスブックのVRゲームをやめられないカウチポテトを増やすだけとも指摘されている。インド紙エコノミック・タイムズの編集者、スワミナサン・アンクレサリア・アイヤーは7月18日付けの同紙に寄稿した論説の中で、「自分の息子にはUBIに頼ってほしくない」として、次のように述べた。
「…家でビデオゲームばかりして過ごすようになってほしくない。社会は見下げ果てたものになってしまう可能性がある。小人閑居して不善をなすということわざのとおり、働いていなければ軽犯罪からギャンブル、テロ行為まで、人々は好ましくない行動を取るようになるになるだろう。欧州のイスラム教徒が多く住む地区では、仕事に就けない多数の人たちが生活保護に頼って暮らし、そこではイスラム過激派が生み出されている。ビル・クリントン元米大統領は、生活保護を勤労福祉制度に変えた。それは、社会にも経済にも大きな成功をもたらした」
アイヤーは7月中旬にデリーで開催されたUBIに関するセミナーに出席していた。インドのような国には、必要最小限の所得保障が必要と考える人たちもいる。だが、アイヤーはこのセミナーで専門家たちが示した支給額にも賛同できないという。その理由は、それが貧困線にも満たないごくわずかな金額だからだ。
セミナーで提案されたのは、年間3500ルピー(約6000円)や1万ルピー(1万7300円)といった支給額だ。どちらもわずかな支給額のために、優遇税制措置や無駄とされる補助金制度の廃止などを行う必要に迫られる。さらに、1万ルピーの支給なら、コストは国内総生産(GDP)の10%に相当する額になると見られている。当然ながら、国会で何年もかけて議論されることになるだろう。
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